"闇"将棋・初段ワイ「藤井…お前、"表"で勝ってるんだって？ ククク…」

ー三十分後ー

藤井八冠「（この男……強い！！　強いッ！！）」
藤井八冠「だが……勝てる！　王手！！」
"闇"将棋・初段ワイ「………」
藤井八冠「（危なかった……スーパーコンピューターを三台直結したAIとの対局経験がなければ負けていた……だがあと二十七手で詰む）」
藤井八冠「どうしたんですか？　あなたのターンですよ」
"闇"将棋・初段ワイ「…………ふぁ〜〜あっ?」
藤井八冠「！？（あっ、あくび……？！）」

"闇"将棋・初段ワイ「すまんすまん、今起きたわ」
藤井八冠「なにを……！」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
"闇"将棋・初段ワイ「もう一人の――――ワイが」

"闇"将棋・初段ワイ「うおおおおおおおおお！！！」
藤井八冠「ぐっ……！（なんだこの棋圧は……）」
？？？「おおおおおおおおお！！！！」ﾄﾞｶﾞｧｧｧﾝｯ!!

"闇"将棋・初段ワイ……改めベルゼバブ「ヒャハハハハハハハァ！！！　サイッコーに楽しいショーにしようぜぇ！！！」

ー三十分後ー

藤井八冠「……王手。詰みです」
ベルゼバブ「チィィッ！！　敗れたか……ならしかたねェ…！」（毒薬を飲む）
藤井八冠「あっ……」
ベルゼバブ「……ククク、そんな顔をするな。しかしまさか俺が負けるとはな♪　流石はあの男の息子……そして、"将棋族"の末裔」
藤井八冠「何を言っている……？（この男……強かった。最初からこちらが相手なら負けていた）」
ベルゼバブ「そうだ、お前じゃ俺には勝てないはずだった。…………勝ったのは、ワイなんやで」
藤井八冠「（口調が変わった……？）」

"闇"将棋・初段ワイ「そしてワイは初段、しょせん"闇"からの尖兵に過ぎない。今のままでは"あのお方"には勝てん。強くなれ……世界を守るために……」

？？？「へぇ、まさか"闇"の棋士が負けるなんてね。相手は何者だい？」
？？？「表の指し手らしいぜ。まさか……こんなことがあるとはな」
？？？「ふふふ、これも"運命"なのかな」

？？？「オーウ、"闇"が表に負けるナンテぇ?　将棋なんてこんなものデスカー？　やはりチェスこそが至高デース♪」
？？？「ふん……あまりいい気になるんじゃないわよ。いま新しい改造駒……"狂車（きょうしゃ）"ができた。アンタで試してやろうか？」
？？？「ワーオ、恐ろしいデーース♪　やはり将棋とは野蛮デーース♪　────でも、それがいい。ちょっと遊んでやるよ……！」ｿﾞﾜｯ……

？？？「やめろ、お前たち。調和の日　ー全人類が酔いしれる時ー……は近い。"闇"が無為な争いをするな」

〜またある場所〜

？？？「星が泣いている……世界を救える力を持った棋士……ソウタ・フジイを探さなければ……」

〜またある場所〜
？？？「ふんっ、どいつもこいつも弱いわね！　このアタシを詰ませられる男としか婚約なんてしないんだから！」

〜またある場所〜
？？？「俺には将棋しかない……ただ、力があればいい……！」

〜またある場所〜
？？？「ふぁ〜〜あ、退屈だな。この世界には弱いやつしかいないのかな〜〜」

〜またある場所〜
？？？「この駒だけは……この、世界を救う駒だけは守り抜かなあかんのや……！　"闇"の手にだけは、決して……！」

……まだ見ぬライバルたち
動き始めた陰謀
そして、藤井聡太を待つ過酷なる運命とは……？

？？？「羽生永世七冠……かつて世界を救ったあなたに頼みがある」
羽生永世七冠「っ！　何者だ！」（空中に駒を展開する）

羽生マジック・飛車「ようこそ、マスター……デスソーサリー、認証完了。コンパイル終了まで六秒。『無邪気なる死神（アンダーテイカー）』装填」
羽生マジック・桂馬「事前コンパイルにより『グレイプニル』即時召喚。敵対者を拘束します」

？？？「クク……動けない、か。"羽生マジック"の並列処理とは。やはり……強い。……でも衰えた」

羽生永世七冠「っ……？　まさか、あなたは……」（駒を消す）

"闇"将棋・初段ワイ「…………せや、ワイや。お久しぶりです……"先生"。聡太に会ってきました」

全ての決着は近い
藤井聡太よ、棋力を解き放て！

っていう流れ