外務省、海外移住する若者が多すぎて緊急警告「外国は賃金が安い。パワハラやセクハラも多い。やめておけ」

昔から海外生活に憧れはあったのですが、ワーキングホリデーに年齢制限があると知って、30歳を目前に行動に移しました。新聞社時代に政治部で国会を取材していたのですが、政治を間近に見る中で、日本の未来への不安がどんどん増していきました。私は「失われた30年」と呼ばれた時期が自分の人生ですが「失われていない30年」を過ごした人たちが、外の世界でどのように生きて、考えているのかを知りたかったという思いもあります。

オーストラリアを選んだのは、実用的な理由です。新聞社を退職したあと、私は広告代理店に転職したのですが、そこはリモートワークが可能でした。海外での勤務も問題なかったので、時差が1時間（サマータイム時は2時間）と少ない場所にしました。パスポートや銀行の残高証明があれば、ビザはあっけにとられるほど簡単で、オンラインですぐに入手できました。

――現地で仕事を得るのは簡単でしたか？

まず現地で4カ月ほど語学学校に通うことにしました。時間を捻出するために、広告代理店での勤務形態を正社員から業務委託に変更してもらいました。学校では、大学受験の時以来といっていいほどよく勉強したように思います。日本人同士で固まって飲み歩いているような人もいましたが、私は日本語をなるべく使わないように意識をしました。英語力は日常会話もおぼつかないレベルでしたが、必死に勉強した結果、学校のクラス分けでは最終的に10段階中の最高レベルに到達しました。当時、このレベルに到達した日本人は学校で私だけでした。

学校が終了後、求人は掲載されていなかったのですが、近所のカフェに履歴書を持っていくと「面接してみようか」と言われ、その後試験的に1時間ほど働いてみることに。問題がなさそうなのでそのまま採用になりました。あまりにあっさり決まって、すこし驚きました。