"闇"将棋・初段ワイ「藤井…お前、"表"で勝ってるんだって？ ククク…」

ー三十分後ー

藤井八冠「（この男……強い！！　強いッ！！）」
藤井八冠「だが……勝てる！　王手！！」
“闇”将棋・初段ワイ「………」
藤井八冠「（危なかった……スーパーコンピューターを三台直結したAIとの対局経験がなければ負けていた……だがあと二十八手で詰む）」
藤井八冠「どうしたんですか？　あなたのターンですよ」
“闇”将棋・初段ワイ「…………ふぁ〜〜あっ」
藤井八冠「！？（あっ、あくび……？！）」

“闇”将棋・初段ワイ「すまんすまん、今起きたわ」
藤井八冠「なにを……！」

“闇”将棋・初段ワイ「もう一人の――――ワイが」

“闇”将棋・初段ワイ「うおおおおおおおおお！！！」
藤井八冠「ぐっ……！（なんだこの棋圧は……）」
？？？「おおおおおおおおお！！！！」ﾄﾞｶﾞｧｧｧﾝｯ!!

“闇”将棋・初段ワイ……改めベルゼバブ「ヒャハハハハハハハァ！！！　サイッコーに楽しいショーにしようぜぇ！！！」

〜”闇”本部〜
？？？「へぇ、まさか”闇”の棋士が負けるなんてね。相手は何者だい？」
？？？「表の指し手らしいぜ。まさか……こんなことがあるとはな」
？？？「ふふ、これも”運命”なのかな」
？？？「オーウ、”闇”が表に負けるナンテぇ♫　将棋なんてこんなものデスカー？　やはりチェスこそが至高デース♪」
？？？「ふん……あまりいい気になるんじゃないわよ。いま新しい改造駒……”狂車（きょうしゃ）”ができた。アンタで試してやろうか？」
？？？「ワーオ、恐ろしいデーース♪　やはり将棋とは野蛮デーース♪　────でも、それがいい。ちょっと遊んでやるよ……！」ｿﾞﾜｯ……
？？？「やめろ、お前たち。”調和の日　─全人類が酔いしれる時─”は近い。無為な争いはするな」

〜ある場所〜
？？？「星が泣いている……世界を救う力を持つ棋士……ソウタ・フジイを探さなければ……」

〜またある場所〜
？？？「俺には将棋しかない……ただ、力さえあればいい……！」

〜またある場所〜
？？？「ふぁ〜〜あ、退屈だな。この世界には弱いやつしかいないのかな〜〜」

〜またある場所〜
？？？「この駒だけは……この、世界を救う駒だけは守り抜かなあかんのや……！　”闇”の手にだけは、決して指一本触れさせたらあかん……！」

まだ見ぬ強大なライバルたちとその間で交錯する思惑
そして、藤井聡太を待つ過酷なる運命とは……？

将棋をめぐる戦乱の物語もいよいよ最終章───。
将棋界の運命を賭けた、藤井聡太の熱き戦いが今始まる！

ー二年後ー
二年前の戦いで見事頂点に立ち、平和な将棋界を築き上げた藤井はとある場所で開かれる将棋大会に参加していた。
決勝戦の相手は藤井にとって見知った顔だった。
その男は聞き慣れた声でこう言った。「ええやん。ぜひ勝負してくれや」
藤井はこう返した。「……受けlて立ちましょう。」
二人は固い握手を交わし、席に着く。
会場には夕陽が差し込み、将棋盤を強く照らしている。
「今回は正々堂々、真剣勝負──。」そんな様子の二人の対局を、観客たちは固唾をのんで見守っていた。

藤井聡太は、今日も将棋に明け暮れる。
己をさらに磨き上げるため、そして何よりも、将棋の素晴らしさを未来へ伝えていくために……