つくば市「40度の痙攣した子どもを救急搬送せず重度の知的障害になったけど、消防の過失ではゼロです！」

おととし４月、つくば市で４０度を超える高熱を出した当時３歳の男の子について、家族からの救急要請を受けた救急隊が「震えは、けいれんではなく発熱や寒さからくるもので救急搬送の必要はない」と判断して病院に搬送せず、家族は自家用車で男の子を病院につれていきました。

男の子は病院に到着後、呼びかけに反応がなくなり、処置を受けたものの、「けいれん重積型急性脳症」と診断されて重度の障害が残っています。

この事案について、つくば市は弁護士などでつくる第三者委員会を設置して救急隊の活動に過失がなかったか検証し、２６日報告書を公表しました。

それによりますと、救命士の活動記録による男の子の状態は県の作成した子どもの救急搬送基準に当てはめて、救急搬送が必要とされる状態にあったとまでは認定できず、救急隊には過失はなかったと判断されました。

一方、救急隊は当時、脈拍数や体温、血圧などの測定を行っておらず、測定することが望ましかったとしています。

第三者委員会の委員長を務めた関健太郎弁護士は「測定などの観察を省略していた点について、不備があったという指摘があれば、そのとおりだと思う。法的な効果が発生するほどの過失だったとまでは言えないが、全く問題がないという回答でもない」と総括しました。

また、今回の第三者委員会で、当事者でもあるつくば市消防本部が事務局を務めていることについて、家族側は独立性に疑問を呈していました。

これに対して消防の担当者は「消防が『便宜を図ってください』と言っても委員にはなんのメリットもなく、公正中立な調査をお願いしていたので消防側としては何ら問題ないと考えている」と述べ、検証の枠組みに問題はなかったという考えを示しました。